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24 June. 2016

「最終回放送前夜祭 コンレボってる場合ですよ!!」レポート

ついに大団円を迎えたTVアニメ「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~THE LAST SONG」。それに先駆けて6月18日(土)、TOHOシネマズ新宿のスクリーン7において、メインスタッフ&キャストを招いたイベント「最終回放送前夜祭 コンレボってる場合ですよ!!」が催された。

登壇したのは「コンレボ」関連のイベントではすっかりおなじみとなった司会進行役のフリーアナウンサー・松澤千晶。彼女の呼びかけにより、人吉爾朗役・石川界人と星野輝子役・上坂すみれ、そして風郎太役・中村繪里子というメインキャストの3人が続々とステージ上へ。まず、最初のオーディションから一年あまりが過ぎた今の感想を求められた中村は、風郎太というキャラクターは変わらない時間を生きているけれど、自身はセリフのひとつひとつにきちんと向き合うことで役者として成長できた、と述べた。一方、本作のモチーフとなっている昭和という時代は、平成生まれの石川や上坂にとって理解が及ばないのではと質問が。しかし上坂は昭和という時代が元々好きで自分でも色々調べてきたと余裕のコメント。「生まれる前のことは知らない『YO!』」と若者らしくいきなりラップの調子で会場を盛り上げる石川とは好対照を成していた。
続けて、監督・水島精二と原作&シリーズ構成・會川昇が登壇。本作を手掛けているうちに、作業量の多さから食事量も増えてしまい太ってしまったという水島監督は、そうなったのも各種デザインに関する膨大な設定量の多さにあるとこぼす。會川もまた、かなりの数のゲストキャラが物語終盤で一堂に会したため、できれば演じる豪華キャスト陣も全員集めたかったと、やりくりに苦心する音響監督とのせめぎあいを暴露した。


そしてイベントの目玉である、TV放映に先行しいち早く公開される最終回の前振りとして、ひとつ前のエピソードである第23話の生コメンタリー上映へ。クライマックス寸前で基本的にはシリアスな展開なのだが、テンションの上がった登壇者の面々が我も我もと思いの丈を銀幕へぶつけ、結果なかなかのカオス状態に。一方で印象的だったのは、この回に用いられた挿入歌「およげ!たいやきくん」にまつわる話題だ。昭和を知らない石川でも聞き覚えのある、という記録的なヒットソングは本作においても扱いは大きく、最終回のラストバトルの舞台にも「たいやき」がモチーフに使われている。流行歌が効果的に用いられたこのシリーズでも、特に象徴的な楽曲といえるだろう。


その後各種の告知をはさみ、いよいよ待望の最終回上映へ。衝撃と感動のストーリーを目の当たりにして、ファンは当然ながらキャストやスタッフも感無量の様子だった。制作の苦労をねぎらうため、水島監督と會川には花束の贈呈が行われ、名残惜しいながらもとうとうこのイベントの幕が下りることに。
ラストを飾る挨拶では、石川は「會川さんの前で言うのはなんですけど、この難解なシナリオを文字の段階で読み解いて把握し、何も知らないでゲストの方々にうまく説明できるようになったということが重要で、それを役者人生の早いうちに経験できて感謝です」と語った。続けて上坂は「大きな転機となった作品ですし、なんの虚飾もなくこの役は宝物です。人生の指標にもなりました」と思いもひとしおの様子。そして中村は「最初不安だった自分に水島さんが仰られた『中村さんの中に風郎太はいるんだよ』という言葉が支えとなりました」と述懐する。続く會川は「最終回で描かれた神化53年は、特撮ファンだった自分にとっておなじみのキャラクターがことごとく現役を去り空白期間となった昭和53年をイメージしました。当時は子供向けの趣味と風当たりが強かったのですが、現在は胸を張って好きといえる。そんな自分の原体験を作品に反映させましたが、それに付き合ってくれた監督ほかスタッフに感謝です」としみじみ。そして最後に水島監督は「スルメみたいなフィルムで、見返せば見返すほど長く楽しめると思います」と締めくくった。

奇しくもこのイベントが開催された会場は、本作の設定的にも重要なモチーフとして扱われた、日本一……いや世界一有名な怪獣がビルの屋上から巨大な顔を覗かせる場所だ。制作陣とファンが一体となってその堂々たる終幕を見守るのに、まさにふさわしい舞台だったと言えるだろう。


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©BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会