25 April. 2016
「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」神化超人フェス レポート
4月17日、神奈川県民ホールの大ホールにて、「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」のメインキャストと主題歌・挿入歌アーティストたちの豪華共演を実現させた「神化超人フェス」が開催された。
その開幕は、まず先陣を切ってステージ上に姿を現したZAQによる第1期のOPテーマ「カタラレズトモ」の絶唱ライブからスタート。いきなりの洗礼で客席を一気に「コンレボ」の世界観へと引き込んだ。
続けて登壇したのは、人吉爾朗役・石川界人と星野輝子役・上坂すみれの2人。ここから始まるのは、原作・シリーズ構成を務める會川昇がこのイベントのためだけに書き下ろしたという朗読劇だ。それぞれが演じるキャラクターの掛け合いや独白によって綴られていくのは、新たな局面を迎えて進むべき道を違えてしまった爾朗と超人課、双方の複雑な胸の内。やがて鬼野笑美役・豊崎愛生や風郎太役・中村繪里子も加わり、そのままシリアスな雰囲気が続くのかと思いきや、ステージに顔を見せたのは、なんと本作のマスコットキャラであるウル! ぬいぐるみサイズで登場したウルは、ウル役・大川透が不在のこの場においても雄弁に喋り出す。「花粉症にかかっている」ことを口実にウルの声を上坂や石川らが代役として演じ、いつしかモノマネ大会のような雰囲気になって客席は笑い声に包まれた。
朗読劇の中で、登壇者たちが口々に語ったのは“歌”の持つ力について。第2期タイトルの副題「THE LAST SONG」が暗示する通り、前作以上にこのシリーズは“歌”が大きなテーマとなっている。それに伴い、朗読劇の合間を縫って次々とステージを飾ったのは、第1期の劇中で流された多彩なアーティストによってカバーされた挿入歌のライブだ。まずは川本真琴の歌う、第1話の挿入歌「あの素晴しい愛をもう一度」。次に日高央が歌う第5話の挿入歌「風が泣いている」。そしてエンジェルスターズが第6話の挿入歌「小さいグラス」を披露。次いで石田ショーキチが歌うのは第6話でマウンテンホースの歌として使われた「Time Slipper」でロックを奏でれば、最後に再びエンジェルスターズによる第13話の挿入歌「自由に歩いて愛して」で会場のボルテージは最高潮に。作品の時代背景のモデルとなった昭和40年代の流行歌のアレンジ、または本作オリジナルソングなどバラエティ豊かなラインナップだ。交互に披露された朗読劇とライブの相乗効果によって、いつしか会場内は“神化”の時代へとトリップしていくかのようだった。
そんな雰囲気をいい意味で壊したのは、制作側のぶっちゃけ話が飛び交う、トークコーナー。最初に壇上を賑わせたのは中村繪里子と監督・水島精二だ。イベントの司会進行役として登場した松澤千晶が、本業と同じアナウンサー役として出演した際に、演じやすいようにと収録現場にわざわざテーブルを持ち込まれた裏話が語られた。その後メインキャストが勢ぞろいで登壇した際には、アフレコ時の間食として上坂が遠征先から買ってきたお土産の“ホヤ”にまつわる珍エピソードが語られるヒトコマも。加えて、水島監督の発案で商品化された、秋葉原のカレー店「カリガリ」とのコラボレーション「コンレボ・カレー」をレトルト化したものが、このイベントにて先行販売されていることにも触れられた。
まだまだイベントは終わらない。まずは第1期EDテーマ「the Beginning」を、作編曲を手掛けた山本陽介自らが奏でる鮮烈なギターサウンドで観客を魅了した後、第16話の先行上映を挟んで第二期OP「割レル慟哭」をZAQが熱唱。続けて、本日最後の楽曲となる第2期ED「ALL-WAYS」を、山本陽介のギターと玉置成実のボーカルで華麗に締めくくった。そしてラスト、ステージにそろった出演者たちが別れの挨拶を述べる中、石川は自身の出演作と縁の深いと語る人気シナリオライター・虚淵玄が第2期の脚本に参加することへの感慨深さを述べ、客席の期待が最高潮に達するままに横浜の熱い夜は幕を閉じたのだった。