風郎太は一番純粋な部分で感じたものをそのままポンと出せる、まさに子供の象徴のような存在なのかなと思いました。 最初の出会いはオーディションで、そこでいただいた資料には、お化けという人ならざるもので、でもお化けだから歳を取ることがなくいつまでも子供のままでいることにジレンマだったり悔しさをもっているということが書かれていたんですね。 「それはどういうことなんだろう」と考えていたんですけど、セリフを体当たりで読んだ時に、「あ、今すごいくくやしい」「すごくたのしい」という感情が自然と湧いてきたんです。 子供って素直に喜怒哀楽を表に出しますよね。反射的に目の前に起きていることを計算しないで出していけばいいんだと、風郎太を演じて気付かされました。
オーディションは体当たりだったんですけど、役者として体当たりはダメだと思って1話までの間に風郎太がどういう子なのかを自分なりに作っていったんです。
けれども、それってオーディションの時には出せていた「わかんないけど楽しい」とか「わかんないからくやしい」とか「わかんないからわかるようになりたい」というような風郎太らしさというか、風郎太の子供らしさとは真逆のことだったんですね。
そのことにまったく気がつかないまま1話の収録に臨んだので、何度やってもそれが出せなくて、メチャメチャ落ち込みました。
「中村さんのままでいいんだよ」とか「もっと子供だよ」と指示をいただくんですけど、でも私自身はお化けでもなければ子供でもないですし、中村繪里子そのままって言われることの意味がわからなくなってしまったことがあったんです。そんな私を見て水島監督がお話する機会を作ってくださって、そこで初めて「そのまま」の意味を理解することができたんですね。
「風郎太を演じなくていい、中村さんの中に絶対に風郎太がいるから、それがオーディションの時に見えたから。だからそれを出してくれればいいから」と水島監督が言ってくださって。
中村繪里子じゃなくて、中村繪里子の中にある風郎太を出すということなんだと思えるようになってからは、もちろんリテイクもあるし「もっと違う風郎太を見せて」とオーダーをいただくこともあるんですけど、怖かったりとか迷ったりということがなくなりました。それもあって、どんどん自分が風郎太になってきてるような不思議な感覚があります。
すみれちゃんとは実は初めての組み合わせで、2人きりで向かい合ってしゃべるってことも初めてだったのですが、私は「パーソナリティ・上坂すみれ」のファンでもあるので、もう楽しくて楽しくて!
すみれちゃんは一緒にアニメとラジオ番組を作っていく”同志”だなって思っています。
「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」は、映像もすごいし音楽もすごいし、もう見ただけでおもしろさが伝わるアニメーションだなって、私自身もすごく興奮しています。私たちもお芝居を頑張らせていただいていますので、是非みなさんもこれからの展開を楽しんでくれたらなと思います。
そしてWebラジオ「コンクリート・レボレディオ」なんですが、アニメ本編のいろんな時間軸がつながって物語が紡がれていくように、アニメをより楽しんでもらえるようなラジオ番組にできたら嬉しいなと思います。すみれちゃんとの収録を私も楽しみますし、みなさんに楽しんでいただければと思います。
どうぞよろしくお願いします!